公認会計士試験 合格体験記

政治経済学部4年 Tさん

私が公認会計士を目指した理由

大学2年生の4月から公認会計士試験の勉強を始めた私ですが、大学入学当初は「周りの友達と同じように普通に就職活動をして、大学卒業後は一般企業の総合職として働きたい」と思っていました。しかし、サークルの先輩たちから一般企業の就職活動の大変さを聞いたことがきっかけとなり、自分の将来に対して漠然とした不安を感じるようになりました。就職活動に真摯に取り組んだとしても、第1志望の企業から内定を頂ける保証はなく、人事担当者との相性や運に結果を左右されることもあります。また、もし第1志望の企業に内定を頂けたとしても、希望の部署に配属されなかったり、実は業務内容が自分に向いてなかったりする可能性は否めません。ローリスクで王道だと思っていた「普通」の就職活動が、実はハイリスクかつローリターンなのではないかと感じた私は、将来設計について方向転換を図ることにしました。
そして、偶然目にした公認会計士に関する大学生協のチラシが私の人生を大きく変えることになります。幅広い業務に携わることができ、将来の選択肢が広がる公認会計士は私にとってまさに理想の職種でした。安定した高収入や四大監査法人への就職など、他にも数え切れないほどのメリットがあり、公認会計士に大きな魅力を感じるようになりました。試験の難易度に対する不安や、「人生の夏休み」である大学生活の1年を勉強に費やすことへの抵抗はありましたが、それらを考慮しても費用対効果がかなり高い資格であることを感じ、公認会計士になることを決意しました。

公認会計士の魅力

公認会計士の魅力について、私からは3つご紹介します。
1つ目は、長期休暇が取りやすいことです。会社の決算との関係で繁忙期が存在しますが、比較的業務の少ないそれ以外の時期に長期休暇を取り、海外旅行や趣味を楽しむ人が多いです。
2つ目は、医師や弁護士と並ぶ三大国家資格であることです。医師は医療における最高資格、弁護士は法曹における最高資格ですが、公認会計士は経済界における最高資格です。私自身、公認会計士試験に合格したことが今後のキャリアを考える上で大きな自信になりました。
3つ目は、女性にもおすすめの資格であることです。女性の活躍が推進されている現在においても、女性のキャリアは男性と比べて出産などのライフイベントの影響を受けやすいといえます。公認会計士という資格があることにより、産休や育休後の職場復帰がスムーズになったり、転職しやすくなったりします。私も大手監査法人の就職活動の際、出産や育児と仕事を両立している女性の公認会計士の方々に多数お会いし、憧れを抱きました。
このような多くの魅力があることから、大学在学中に勉強を開始し、合格を目指す人が増えています。実際に、公認会計士試験合格者に占める大学在学中合格者の割合は年々増加傾向にあり、現在では約4割が大学在学中合格者です。また、大学生で勉強を始める人の半数以上が、大学1、2年生のうちに勉強を始めています。
特に早稲田大学出身者の合格実績は高く、2020年度の合格者における出身大学別合格者数では、慶應義塾大学に次ぐ2番目の多さとなっています。難関試験として知られる公認会計士試験ですが、挑戦して合格を勝ち取っている早稲田大学生が多数います。

公認会計士試験合格までの道のり

私は大学2年生の4月から勉強を始め、大学3年生の8月の短答式試験、11月の論文式試験に合格しました(例年は5月の短答式試験、8月の論文式試験ですが、コロナの影響で延期になりました)。大学3年生での合格を目指す場合、多くの人は大学1年生から勉強を始めるので、私はスタートの時点でかなり出遅れていたことになります。本来ならば、勉強を開始した時点からかなり勉強に本腰を入れなければなりません。しかし、ずっと机に向かうというよりは、メリハリをつけて勉強するタイプでした。2年生の夏休みは1週間ほどの長期旅行に行き、直前期になるまでは最低でも2週間に1回は勉強をしない完全オフの日を作っていたので、具体的な勉強時間は、2年生の春学期が週20~30時間、秋学期が週45時間、年明けの2月~11月が1日10時間ほどでした。家から大学までがかなり遠く、会計士試験の勉強も1年合格用のきついカリキュラムだったので、常に時間がない状態ではありましたが、「大学の試験の1週間前からは試験勉強に集中する」「大学の履修の時間割を考えて作る」といった工夫を取り入れることで、大学の講義の単位を落とすことなく、公認会計士試験に合格することができました。「公認会計士試験の勉強と大学やバイト、遊びとの両立はできますか。」といった質問を頂くことが多いのですが、メリハリをつけて効率的に時間を使うことで両立可能になると思います。

将来のキャリアについて

「税務の知識が豊富で、自分自身の生活にも役立つようなタックスプランニングができる人になりたい。」「公認会計士として海外で仕事をしてみたい。」等、いずれ経験してみたいと思うことはたくさんありますが、どれも「夢」の段階であり、将来のキャリアについて具体的な目標はまだ1つも決まっていません。しかし、それこそが公認会計士試験合格の最大のメリットであると思うのです。公認会計士試験に合格したことで、今後の人生における選択肢が増えるとともに、資格がセーフティネットとなるおかげで、興味を持ったことに対していつでも挑戦できるようになります。「公認会計士を目指すと決めたら、将来携われる業務が限られてしまうのではないか。」といった不安の声をよく耳にするのですが、私はむしろその反対であると思っています。公認会計士試験の勉強や合格後の実務経験を通じて、会計、監査、税務、経営といった幅広い知識を身に付けることができ、これらの分野はどの業種においても基盤として存在します。したがって、公認会計士試験に挑戦することで将来様々な業務に携われる可能性が高まるといえます。私自身は、まず内定を頂いた監査法人で様々な経験を積み、学びを深めるなかで、将来自分が進むべき道を見極めていきたいと思っています。

終わりに

私自身、公認会計士試験に挑戦することを決めるまでとても悩みましたし、合格までの道のりは決して楽ではありませんでした。しかし、大学生活の貴重な時間を費やす価値が大いにある資格であると思いますし、2年前の自分の選択を誇りに思っています。もし、公認会計士試験に興味をお持ちの方がいらっしゃれば、ぜひ挑戦してみて下さい!

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